コストコの人気の秘密と収益構造

皆様はコストコ(Costoc)を御存じだろうか?
コストコは米国に本社を置く会員制のスーパーである。
1999年に福岡県で日本国内初の店舗をオープンして以降日本のスーパー業界を席巻し、現在の日本国内における店舗数は26を数える。

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コストコで買い物がをするためには4,752円(税込)という決して安くない年会費が必要となる。著者が初めてコストコにいった際にも買い物をする際に年会費が必要となることを聞き、コストコは日本では流行らないなと感じた。しかしその後、コストコは日本国内のスーパー産業を席巻。どの店舗にいっても連日満員である。

コストコ人気の秘密は、品質の良さと海外の風を感じられるところにあたるといわれている。

コストコの特徴は約3,500点の品質の良い製品を原価に近い価格で購入できるところにある。食料品等の価格は決して安くはなく日本国内のスーパーのほうが安いことも多いのだが、品質の面で日本国内のスーパーとは一線を画す。日本国内のスーパーの食料品の品質も世界的にみれば高いのだが、コストコに陳列されている食料品は超一流なのだ。実際にゴールデンキュウイやサーモン等、一度コストコの食料品を食べるとやみつきになってしまい、その食料品目当てでコストコに足を運んでしまうほどだ。

またコストコのもう一つの特徴は海外製品が多く置かれていることだ。店舗の雰囲気作りや製品

の陳列の仕方の効果もありコストコの店内にいると海外でショッピングしていると錯覚するほどだ。ディズニーランドが夢の世界への入口であるとするのであれば、コストコは海外への入り口である。入口に入った瞬間に感じる高揚感は海外旅行時に飛行機から降り立った時の感覚に似ている。実際にメレンゲの気持ちに出演していた女優貫地谷しほりさんはコストコのことをディズニーランドと表現していた。

さて、このコストコの収益構造についてだが、コストコの営業利益率は3%程度と決して高くない。例えば2017年9月期のコストコの業績は売上高363億ドルに対して11.6億ドル程度だ。また利益の大部分は会費によるものであり、コストコがどれだけリーズナブルな価格で製品を提供しているかまた会費がコストコにとって必要不可欠なものであることがわかる。

なお、コストコは売上高の72.77％が米国、14.55％がカナダに由来する。収益構造を改善することを目的としてコストコはこの1～2年間でこの2ヶ国を含む複数の国で会費を値上げしているようだが、コストコが高品質、顧客フレンドリーな値付けを維持しているかぎりは顧客離れが進まないのではないだろうか。